不動産が売れない理由とは?売却を進める改善ポイントを解説します!
不動産が売れない…。
そんな声が全国から聞こえてきそうですね。
確かに今では不動産が簡単に売れるような時代ではありませんので、売れない理由を把握して改善することが必要になります。
そこで今回は、
「不動産会社に売却を依頼しているのに、なかなか売れない不動産はどうしたら良いのか?」
というあなたに、不動産が売れない理由や特徴、対処方法を詳しくご紹介していきます!
記事内容
売れない不動産には理由がある?売却が進まない原因と特徴
内覧が少ない!不動産会社の対応に原因はないか
家やマンションなどの中古物件を売却する場合、売りに出している物件の販売情報を見た上で気になってくれた買主候補者が内覧に来てくれることになります。
内覧が少なかったり全然入らない場合は、物件の詳細や間取りの図面・写真などで、売り物件の魅力が伝わっていない可能性が。
中古物件を探している人にとって一番最初に得られる情報となりますので、しっかりと長所が伝わるような工夫が必要になります。
他にも下記のような場合は、不動産が売れない大きな理由になっていると言えます。
広告を活用した宣伝がされていない
広告には【インターネットの物件情報サイトへの掲載・投函チラシ・新聞の折り込みチラシ】などがありますが、不動産会社は当然なるべく少ない広告費で売却活動をしたいと考えます。
どの媒介契約を結ぶかによって、不動産会社が広告にかけてくれる費用も変わってきます。
広告活動を行ってくれているのであれば、他にはどのような宣伝方法が可能なのか等、営業担当者に一度確認してみることも大切です。
- 不動産が売れない時の改善ポイント
- 『専属専任媒介契約』や『専任媒介契約』にもかかわらず広告掲載がない場合には、売却活動に力を入れてない不動産会社となりますので、依頼する不動産会社を変更してみましょう。
営業担当者(不動産会社)に売る気がない
不動産会社に売却依頼をし媒介契約を結んだ場合、
- 専属選任=週に1回
- 専任=2週に1回
の定期報告が法令により義務付けられています。
売却活動の状況や進捗を報告してくれるのですが、中には報告を怠る不動産会社もあります。
また一般媒介契約を結んでいる場合は報告義務は発生しませんが、定期的に報告してこない不動産会社は、本当に売却の意思があるのか疑問が残ります。
- 不動産が売れない時の改善ポイント
- 売却をスムーズに行う上でも、売主に親身になってくれる・定期的な報告を行ってくれる不動産会社を選ぶことが重要になります。
不動産会社が囲い込みをしている
- 囲い込みとは
- 囲い込みとは、売主に依頼された不動産会社が自社で買主を見つける為に、他の不動産会社へ売り物件の情報を公開しないことです。
基本的には、不動産会社が売却の依頼を受けると『レインズ』という不動産情報の共有バンクに物件情報を登録することになります。※一般媒介契約の際は、登録義務は発生しません。
そうすることで、全国の不動産会社が売りに出されている物件情報を見付ける事が出来、買主候補者を抱えている不動産会社が売主側である不動産会社と連絡を取ることが可能になります。
ですが、不動産会社が自社内で『売主』と『買主』の両方とも見つける事が出来れば、どちらからも仲介手数料をもらえる事になりますので、これを目的として本来禁止されているにも関わらず『レインズ』に情報公開をしない業者もいます。
- 不動産が売れない時の改善ポイント
- このような行為をされていると大きな機会損失に繋がります。不動産会社の営業担当者に問い合わせて、レインズの登録状況を確認させてもらう方法も有効です。
設定している売却希望価格が相場よりも高い
売却に出している不動産が売れない大きな原因として、売却価格の設定が相場よりも高いことが挙げられます。
土地の場合、
- 立地条件
- 土地の状態
中古物件の場合、
- 立地条件
- 築年数/外観・内観の状態
これらとのバランスがしっかりとれている価格設定が求められます。
ですが、特に購入時のローンが残っている中古物件を売りに出す場合には、オーバーローンとなってしまうこともありますので、赤字にならないようなるべく高い価格で売りたいものです。
- オーバーローンについて
- 住宅ローン残債務がある物件を売却するときは、ローンの残金を一括で返済する必要があります。住宅ローンを売却代金で補えなかった場合は『オーバーローン』となります。
このようなことも含めて、値下げには抵抗のある売主が多く、不動産が売れないときの最終手段とする傾向があります。
しかし、特に家やマンションといった不動産物件の場合は、時間の経過とともに価値が下がっていきますし、現状で売れない状態が続くのであれば市場ニーズに合わない価格設定ということですので、値下げを行わないといけません。
そこで、値下げを行う時に気を付けたいポイントを見ていきたいと思います。
小刻みに値下げするのはやめましょう
売却の値下げ戦略として失敗しやすいのが、
『小刻みに値下げを行う』
ことです。
なかなか売れないからと明確な根拠もないまま営業担当がすぐに値下げを持ちかけてくることがありますが、ちょこちょこと小刻みに値下げを繰り返していると、売り広告を見ている買主候補者に値下げしていることが気付かれないことが多いです。
また、数万~数十万ほどの値下げ幅であれば、お得感をあまり感じることが出来ませんので当然効果は薄くなります。
- 不動産が売れない時の改善ポイント
- 小刻みな値下げを行わず、3ヶ月や半年ほどを目安として値下げを検討してみましょう。
値下げをする場合は慎重に
先ほどお伝えした小刻みに値下げを行うのは好ましくありませんが、成約に至らずに売れない時期が長く続いてしまうと、値下げをせざるを得なくなります。
値下げをする際に気をつけたいのが、
『値下げは出来ても値上げは出来ない』
ということです。
案外値下げをした途端すぐに売れることもありますが、一度値下げをしてしまうと「下げすぎた」と思っても元の価格に戻す事は出来ません。
値下げに踏み切る前にまずは、ここまでお伝えしてきたように、売却依頼をしている不動産会社の活動が適切に行われているのか、改善の余地はないのか検討してみることも必要です。
また、家・マンション・土地などの不動産全てに当てはまる事になりますが、現在の売却価格が市場ニーズとマッチしているのかどうかも、判断基準の一つとなります。
- 不動産が売れない時の改善ポイント
- 今までの不動産会社による売却活動が適切か見直してみましょう。その上で、不動産の売却価格が市場価値と比べて見合った金額なのか値下げを検討してみて下さい。一括査定を活用すれば、自分が売りたいと思っている価格が適正なのか知る事が出来ますし、実はそれ以上の査定額が付く場合も?
立地条件・周辺環境の魅力が低い
ここでは、立地や周辺環境は悪くはない、または比較的良いにも関わらず、立地や周辺環境のメリットが物件情報として魅力が伝わっていないケースと、本当に立地や周辺環境が悪く魅力がないケースがあります。
まず前者の場合は、不動産会社や営業担当者の力不足が売れない理由となっている可能性がありますので、販売図面や物件情報を魅力的に伝えられる工夫をしてみましょう。
後者の場合は、立地条件や周辺の環境が悪いことが売れない理由となっています。
特に、
- 線路沿線
- 墓地の近く
- 工場地帯の近く
などは買主候補者からすると、購入する際の懸念材料になってしまうことは間違いありません。
また、不便な場合(駅が遠く近隣にスーパーがないなど)も売りにくくなりますが、こればかりは売主側ではどうしようもありませんので、相場とニーズのバランスを考慮して売値を調整するようにしましょう。
- 不動産が売れない時の改善ポイント
- 立地条件が悪くない場合は、しっかりと販売図面で立地や周辺環境のメリットを伝えられているか確認してみると良いです。
- 立地条件が悪い場合は、市場ニーズと相場とのバランスを考慮した価格設定をしてみて下さい。
売りに出す時期が悪い
年中安定して取引がありますが、不動産の流通が特に活性化するのは『初春』と『秋』となります。
- 4月からの新生活に向けて動き出す初春
- 年内に新居を決めたい9月頃
は特に流通量の多い時期になりますので、この時期を狙うと新着物件扱いとなり、多くの人の目に付く可能性があります。
逆に避けたい時期は、『年末』と『6月~8月』。
初春に新着物件が増加しますので、年末に売りに出してしまうと年明けと共に大量の新着に埋もれてしまいます。
また、6月~8月は梅雨や暑さで内覧者が少なくなる傾向があります。
- 不動産が売れない時の改善ポイント
- 『梅雨や暑さが辛い6月~8月』、『新着物件が多くなる初春の前の年末』は避け、年明け・秋口(9月~)を狙うようにしましょう。
そもそも物件に問題はないのか?不動産が売れない時の確認ポイント!
ここまでは、売れない不動産に共通しやすいポイントをお伝えしてきました。
上記の改善できる点に注意しても、売りに出している不動産自体に問題があると、なかなか売れません…。
ということで、不動産物件別に確認しておきたい、売れない時の確認ポイントを見ていきたいと思います。
始めに、中古物件として売りに出す際の前提のお話しになりますが、
- 物件を空き家の状態にしているか
- 修繕・クリーニングしているか
- 築年数が古すぎないか
という3点から見ていきましょう。
売れない中古物件に共通するポイント
物件を空き家の状態にしているか
まずは、
売れない家・マンションを空き家状態にしているか?
ということ。
せっかく買主候補者が物件情報を気に入ってくれ内覧に来てくれたとしても、売主がまだ住んでいる状態ですと、家具や物が溢れています。
物で溢れた室内を見ると、傷・不具合等の有無の確認もしづらい上に、思いのほか実際よりも狭く感じやすいもの。
中古物件を探している人は、隅々まで見て検討出来る方が購入意欲を刺激されますので、なるべく空き家状態とした上で売りに出す方がメリットは大きくなります。
ただ、どうしても空き家状態に出来ない場合もありますので、荷物の整理や掃除などをこまめに行い『売り物件を商品化する』という意識で、なるべく居住中であっても印象や見栄えが良くなるように工夫してみましょう。
修繕・クリーニングしているか
内覧に来てくれる買主候補者は、売りに出している物件にとても興味があって、貴重な時間を使ってきてくれているはず。
そんな人たちの心をしっかり掴むためには、先述しましたが『良い印象・良い見栄え』を感じてもらう事が大切です。
傷や汚れは生活しているとどうしても付いてしまうもの。
売りに出すと決めたのであれば、壁紙クロスの張り替えやハウスクリーニングを活用して、家を少しでも綺麗に見せるようにしましょう。
ここを怠らないだけでも、内覧者へ伝わる印象は大きく変わります。
築年数が古すぎないか
中古物件は一般的に築浅が好まれますので、築年数も大切なポイントになります。
もちろん築年数が浅ければ『売りやすい家・マンション』ですし、買主側から見ても魅力的な物件です。
一方、築年数が10年を超えると途端に売れにくくなります。
大きな原因の1つが、中古物件を探している人の多くは『築年数10年以内』で探す場合が多く、物件情報の露出が減る為。
実際に、買主側は『築年数10年以内』を目安として物件探しをしているというデータが出ています。
下記のグラフを見て下さい。
引用元:野村不動産アーバンネット
実に半数以上、60.4%(内訳:5年以内=14.8%、5~10年以内=45.6%)の人が0~10年以内の中古物件を探していることが分かります。
これは、築年数が古いと『管理費・修繕費』が購入代金とは別に発生するために、高くつくことになるから。
ただ、築年数が古いという理由だけで『売れない』わけではありませんので、内覧のときにいかに好印象を与えられるかを意識することで対処する事が可能です。
ここまでは中古物件である『家(戸建て)・マンション』に共通するポイントについて見てきました。
次に、『不動産別に見る確認ポイント』を見ていきたいと思います。
「家(一戸建て)が売れない」場合の確認ポイント
売却予定の家が二世帯住宅ではないか
二世帯住宅には、
- キッチン・バスルーム
- リビング
- 玄関※共用の場合もあるので一概には言えませんが
が2セットずつ設けられていますが、一世帯で居住することを目的とするファミリーには、2セットもある設備は必要ありません。
少なからず二世帯住宅を探している人もいますので売れる可能性もありますが、両世帯ともに物件購入の意思が合致しなければならないことも、成約に繋げる事が難しくなる要因となります。
特徴のある(クセのある)間取りや設備がないか
特に中古物件の場合は、間取りが一般的なものが好まれる傾向にあります。
間取りが一般的ですと、幅広い層の家族構成をフォローすることが出来ますので、成約まで結び付けやすくなります。
一方、個性的でクセのある間取りや、買主側からすると不必要な設備があると、敬遠されがちなので注意が必要です。
敷地面積や建築面積でみる市場評価額よりも、思い切って安くしないと売れないという事が考えられます。
「マンションが売れない」場合の確認ポイント
小規模マンションではないか
小規模マンションのデメリットとして、管理費が割高となってしまう事が挙げられます。
物件自体が安く購入出来ても、管理費・修繕積立金などを少ない戸数で負担を分散しますので、一戸当たりの負担額が高くなります。
こういったコストを嫌うという理由から『小規模マンション』は検討からはずす人がいる事も事実です。
同じマンション内に他の売り物件がないか・競合していないか
一方、大型の大規模マンションの場合には、別の問題が発生します。
戸数が多くなるため、売主と同時期に売りに出す『同マンション内の他の売り物件』が出てくる可能性があり、売却時期が重複がすると、マンション内で価格競争が起きてしまう要因に。
間取りや階数が大きく異なる場合にはあまり気にしなくても良いかもしれませんが、先に売却にでているマンションと似たような条件の物件を売りたい場合は、他の物件が売れてから売りに出す方が好条件で売却できることもあります。
マンションを売りに出したい場合には、同じマンション内の物件で売りに出ている所がないか、一度確認してみると良いでしょう。
「土地が売れない」場合の確認ポイント
狭小土地・変形土地・傾斜地・崖地ではないか
売れない土地には、形状・大きさ・状態が理由にある事が多いです。
例えば、『土地がとても狭い・形が悪い・土地が斜めに傾いている・崖地』などの場合、なかなか購入してもらえません。
特に傾斜地や崖地は造成する必要が出てきますので、土地の購入代金と購入後の負担コストのバランスがとれていないと、売れにくくなります。
接道義務を満たしていない土地(袋地)ではないか
土地の使い道として一番困るものが、『袋地』になっている土地です。
袋地は、
という、建築基準法が定める『接道義務の条件を満たしていない土地』となります。
接道されていない土地を売るのはとても難しく、土地の評価額も無道路地として『減価率50%』以上となるケースが多いです。
対処、改善出来る方法としては、袋地を囲む『囲繞地(いにょうち)』と呼ばれる隣地の地主さんに、土地を安く買い取ってもらうか、もしくは道路までの通路分の土地を、囲繞地である隣地から買い取らせてもらうことになります。
または、『確保したい隣地の通路分の土地』と同等面積を『袋地となっている売主の土地』と等価交換する方法もあります。
こうして接道義務を満たした上で売却に出すと、売れる可能性が高くなります。
市街化調整区域ではないか
- 市街化調整区域とは
- 都市計画域とされるエリア内で、市街化していくことを抑制する区域
市街化調整区域では、インフラ整備が行われない上に、建造物の建築にも各都道府県の許可がいります。
この審査も厳しい為、実際には家などの建物を建てることは困難な区域と言えます。
こういった土地の場合、市街化調整区域の売買を敬遠する不動産会社も多いため、市街化調整区域の売買を得意・専門としている不動産を探すことが、成約に繋げるポイントとなります。
不動産一括査定サービスを利用すると、市街化調整区域の扱いを得意とする不動産会社が見つかりやすいです。
土地が広すぎではないか
売れない土地の原因の1つとして、『土地が広大』ということが挙げられます。
戸建ての家を建てたいファミリーにとっては大きすぎる土地の為、場所などの立地がよくても手を出しにくくなります。
こういった場合に、『区画割』して分筆登記する方法もありますが、むやみに行うとマンション分譲業者から目を付けてもらえる可能性が無くなります。
現在依頼している不動産会社で売却が進まないのであれば、次の更新の際に売買を得意とする不動産会社に依頼すると良いでしょう。
手入れがされていない・見栄えは汚くはないか
売却する予定の土地は、パっと見た時の印象は良いですか?
不法投棄された廃棄物、空き缶やレジ袋・ビニール袋などのゴミが無いようにしておきましょう。
土地が汚い状態で放置されているよりも、綺麗に整えておくことで見学者への印象が良くなります。
「収益物件(賃貸アパート・賃貸マンション・ビル等)が売れない」場合の確認ポイント
収益物件の場合、買い手としてのターゲットは『資産家・投資家・建築関連業者・不動産会社』など、かなり限られてしまいますので、成約まで時間がかかる傾向があります。
こちらの不動産がなかなか売れないケースとしては、売主の売却希望価格が高すぎる場合。
と言うのも、収益物件を売りに出すオーナーさんは、現状の利益ではうまみが無いとのことで売却に踏み切っていると思います。
当然、負債を持っていると予想されますし、売却によって得たお金で負債の返済や個人的なお金として所持したいという思惑があるでしょう。
ですが、建物が減価償却により思う程の評価額にならない事も多く、無理な価格設定では売れる不動産でも売れなくなります。
土地や建物の相場を理解した上で、価格設定をするようにしてみましょう。
不動産売却は「一括査定サイト」を活用するのがオススメ
ここまで、売れない不動産の理由や改善点をお伝えしてきました。
本当に売れない場合は、不動産会社が買い取ってくれることもありますが、安い価格で引き取られてしまうことになります。
不動産会社の中には、売却依頼を受けても『売り物件情報』を掲載するだけで、売主から「やっぱり売れないから買い取って」という言葉を待っているだけのケースも少なからず存在します。
そうならない為にも、全国の売買専門の不動産会社に一括で査定をしてもらい、高い価格を提示してくれた不動産会社とお付き合いする方法がオススメです。
今の不動産会社に任せていても、売却が進まないのであれば、一度『無料一括査定サービス』を利用してみては?
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