遊休土地の有効活用で収益化!賢い税金対策と節税事例
更地の状態で放置してしまっている遊休土地はありませんか?
遊休地とは、使う予定も用途も無く『持て余している』にもかかわらず、固定資産税ばかりが掛かる悩ましい土地や空き地になります。
しかし、使用目的さえ定めて計画的にこれらの土地を有効活用できれば、税金対策ができるだけでなく、収入として大きなプラスになることもあります。
使っていない土地や空き地にただ固定資産税を払っているもったない状況を、土地活用を通して『節税』と『収入アップ』できるように賢く運用していきましょう。
そこで今回は、
「ほったらかし状態の遊休地をどうにか有効活用して、高い固定資産税などの税金対策をしたい!」
という遊休地を持て余しているあなたに、土地を活用することで節税できる方法をご紹介していきます!
遊休土地は今すぐ有効活用しよう!
当サイトでは、遊休地は今すぐに有効活用されることをオススメしています。
なぜ遊休地は早く土地活用する方が好ましいのか、土地に課税される税金のお話と事例を元にご紹介していきます。
土地所有に伴う税金は「固定資産税」と「都市計画税」
遊休地を含め、土地や不動産を所有していると、『固定資産税』を納めなければなりません。
また、都市計画区域内の市街化区域に所在する土地や建物に対しては、固定資産税とあわせて別途『都市計画税』が課税されます。
固定資産税と都市計画税の税額は、それぞれ下記の計算式によって算出されます。
固定資産税=課税標準×1.4%
都市計画税=課税標準×0.3%
[土地と税金]持っているだけでは大きな損害に
遊休地に限らず不動産には固定資産税が掛けられており、その金額は年々少しずつ引き上げられています。
では土地活用をすることなく、現状のまま遊休地を放置した場合には、どのくらいの税金を払うことになるのでしょうか?
事例を用意してみましたので一緒に見てみましょう。
【事例】遊休地となる土地を運用せずに放置し続けた場合
例えば、固定資産税評価額7,000万円の土地を所有している人が、土地を20年間運用せずに遊ばせてしまった場合…
- 土地評価額7,000万円のケース
- 固定資産税 7,000万円(課税標準)×1.4%(固・税率)=98万円/年
- 都市計画税 7,000万円(課税標準)×0.3%(都・税率)=21万円/年
合計119万円の税金が毎年課税され、納税する義務が発生します。
仮に20年間遊休地として放置した場合は、119万円×20年=2,380万円!
評価額7,000万円もあった土地が、たった20年で2/3の財産となってしまうんですね。
- ここがポイント!
- 遊休地を放置していると高い税率で課税され続ける為、財産としての土地の価値が下がる!
税金を軽減!節税効果のある有効活用とは?
遊休地をそのまま放置してほったらかし状態にしてしまっていると、固定資産税や都市計画税などで土地の資産が下がってしまい、財産も目減りしていく一方となります。
ですが、遊休地を有効に活用することで、
- 税金の軽減(節税効果)
- 遊休土地の収益化
といったことが見込めます。
まずは、土地に掛かる税金を少しでも抑えるようにするためにはどうするのか、税金を軽減して節税するための方法を見ていきたいと思います。(遊休土地を有効活用して収益化する方法については後述します。)
固定資産税と都市計画税は軽減できる
固定資産税と都市計画税の算出する方法は先述したとおりなのですが、土地区分によって課税標準である評価額に対する税額を、特例措置(減免措置)によって軽減することが出来ます。
詳しくは下記の表を確認してください。
住宅用地に対する特例措置による軽減税率
土地区分が住宅用地の場合、特例措置(減免措置)によって課税される税額が軽減されます。
固定資産税の特例率
土地区分 | 固定資産税の課税標準 |
小規模住宅用地(※1) | 評価額 × 1/6 |
一般住宅用地(※2) | 評価額 × 1/3 |
都市計画税の特例率
土地区分 | 都市計画税の課税標準 |
小規模住宅用地(※1) | 評価額 × 1/3 |
一般住宅用地(※2) | 評価額 × 2/3 |
住宅用地としての敷地面積のうち、200㎡までは『小規模住宅用地』の特例率が適用され、敷地面積のうち200㎡を超える面積については『一般住宅用地』の特例率が適用されて税額が算出されます。
住宅用の敷地である住宅用地は、特に税額を軽減される措置がとられているため、最大1/6まで税金を抑えることが出来ます。
固定資産税などの節税対策として土地を有効活用するのであれば、土地区分が住宅用地となる『賃貸住宅』の運用が魅力的です。
遊休土地の活用方法で見る税額比較
遊休地をそのままにしておくよりも、住宅用地とすることで固定資産税や都市計画税が軽減され、最大1/6もの節税効果が見込めるとお伝えしました。
では実際に、住宅用地として有効活用した場合、他の活用方法に比べて税額にどのくらいの差が生じるのでしょうか?
先ほどの土地評価額7,000万円の土地を活用した例で、土地に課税される税金を比較してみたいと思います。
賃貸住宅・賃貸マンション
7,000万円×1.4%(固定資産税率)×1/6=約163,000円/年
7,000万円×0.3%(都市計画税率)×1/3=約70,000円/年
合計233,000円/年
駐車場
7,000万円×1.4%(固定資産税率)=約980,000円/年
7,000万円×0.3%(都市計画税率)=約210,000円/年
合計1,190,000円/年
貸し店舗・その他商業施設
7,000万円×1.4%(固定資産税率)=約980,000円/年
7,000万円×0.3%(都市計画税率)=約210,000円/年
合計1,190,000円/年
上記を見て頂くと、駐車場や商業地としての活用では、減免措置が適用されていないので税額が軽減されず、遊休地の状態と同様の税額となっている事が分かりますね。
一方、土地区分が住宅用地である『賃貸アパート・賃貸マンション』として有効活用することで、土地に課税される税金を90万円以上節約することに成功しています。
- ここがポイント!
- 遊休地を住宅用地として有効活用すると、『固定資産税が最大1/6』・『都市計画税が最大1/3』まで軽減されるので節税効果が高い!
遊休土地の有効活用で収益化!税金負担分をまかなおう
遊休地にかかる税金に関しては、住宅用地として有効活用することで大きく節税することが可能です。
ですが、住宅用地としての有効活用だけにとどまらず、様々な方法で収益化を目指すことが出来ますので、ただ課税されるだけの土地で放置せず有効利用するようにしていきましょう。
「でも、どうやって今持っている土地を活用すれば良いのか思いつかない。具体的にどんな方法があるのか知りたい。」
という方もいると思います。
そこで、遊休地を有効活用する方法を、ここでは大きく3つご紹介します。
賃貸住宅経営(居住用住宅)
賃貸住宅には、戸建て・アパート・マンションがありますが、どれも遊休地の有効活用として比較的ポピュラーな方法になります。
賃貸住宅経営を一言で言いますと、『ハイリスクハイリターン』。
建造物に投資をして建てた上で賃貸住宅として『貸し出す』という方法になりますので、初期費用として大きな投資が必要になります。
都内のベッドタウンに位置する場合かなりの需要があり、特に大学生や地方労働者向けに賃貸を貸し出すという方法が手堅いです。
また、付近にレジャー施設や観光地、リゾート施設などがある場合は、一戸建てを建てて別荘として貸し出すのも方法もありますので、その土地に合った建物を建てて貸し出すという方法が税金対策として有効な手段と言えるでしょう。
事業用賃貸経営
事業用地の場合は、土地の面積が狭い場合は事務所として、広い場合は工場や老人ホームなど、さまざまな用途で用いられるため、需要がとても多いです。
また、事業用定期借地権は10年~50年までの契約期間なので、最終的には自分の手元に土地が戻ってくるので、安心して貸し出せます。
事業用地の場合は、建ててから貸し出すか、土地のまま貸し出す方法がありますが、どちらかといえば、土地のまま貸し出した方が良いでしょう。
その理由は次の2点です。
- 建物を建てる必要が無いため、初期投資や初期負担のリスクがない
- 建物を建ててしまうことで契約できる業者が限られてしまう
リスク軽減のためにも、土地をそのまま貸し出すようにしましょう。
駐車場経営
駐車場経営は最近徐々に人気を集めていて、遊休地を有効活用する手段としては他の手段よりも、比較的容易に始めることができ、リスクもそれほど高くないというメリットがあります。
しかし、現状掛かっている税金の『節税』を念頭に置くとすると、全くと言ってよいほどメリットがありません。
例えば、平面駐車場として貸し出した場合ですが、建設物扱いにはならないので、土地を所持している分の固定資産税を払う必要があります。
ですが、遊休地として放っておくならば、初期費用を抑えつつ手軽に始められる駐車場経営で、安定した収入から税金をまかなうことが出来ますので、とてもおすすめな手段です。
遊休地として土地を遊ばせてている状態ですと、ただ税金だけが掛かってきてしまいます。
上記の活用方法以外にも思わぬ方法で収益化できることもありますので、コチラのような土地活用の資料請求サービスも利用してみましょう。
- ここがポイント!
- 遊休地には様々な活用方法で収益化を見込むことが出来る!
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そのまま放置している遊休農地を活用する
農地であるにもかかわらず耕作放棄された休耕している状態の土地を、『遊休農地』と呼びます。
特に遊休農地をそのまま放置していると、税金があげられてしまいさらなる負担増になる可能性がありますので注意してください。
遊休農地(耕作放棄地)の固定資産税が増税
平成29年度より、遊休農地に対しての固定資産税増税が実施されました。
ですが、すべての遊休農地が増税対象となるわけではなく、対象となるのは『農業振興地域』に該当する農地ですので、ご自身の遊休農地がこれに該当するか一度確認しておきましょう。
今まで土地分類上『農地』とされていた土地の評価額は55%評価となっており、税制上は優遇されていたのですが、上記に該当する勧告遊休農地の場合、この55%(0.55)を乗じないとされる税制へと改変されました。
この勧告は、遊休している農地を再度活用して農業を再開するか、市町村が窓口を設けている『農地集積バンク』への登録で、増税を免れる事が出来ます。
農地転用や賃貸借(貸し出し)で活用する
『農業振興地域』に該当していない農地の場合は、もともと税制上はそこまで優遇されておらず、固定資産税も高い税額となっています。
現在、遊休農地となっているのであれば、農地転用をするか同業の農家への賃貸借(貸し出し)などを行って有効活用し、収益化するようにしましょう。
ここで注意するべきポイントは、農地転用や賃貸借を行う場合には、どちらも農業委員会への申請が必要となります。
- ここがポイント!
- 『農業振興地域』に該当する遊休農地は、農業再開か農地集積バンクへの登録申請を行って固定資産税増を避けよう!
- 『農業振興地域』に該当しない遊休農地は、農地転用や賃貸借で活用して収益化を図ろう!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
空き地となっている遊休地や休耕状態の遊休農地をそのまま放置していると、どれほど資産を圧迫しているかを感じることが出来たのではないでしょうか?
今回ご紹介したように、遊休地の活用方法は様々な手段がありますが、やはりどのような活用方法を選んでも、運用する以上はビジネスだということに変わりはありません。
それなりの知識や覚悟が必要になってくることは間違いありません。
そして、忘れてはいけないのが、あくまでも遊休地を活用して、それまで掛かっていた税金の節税を行っているということ。
その土地に合ったやり方で、正しい遊休地の活用方法を見定めるようにしましょう。
どうしても遊休地を活用出来そうにない場合には、こちらの記事も合わせて読んでみて下さい。
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